今日はウグイの人工産卵床の造成日
今年も(マルタ)ウグイの産卵床を造成されました。とにかく寒い。雨がみぞれに。手がかじかんでまともに動かないなか、重機をいれて大きく造成を行いました。高津支部のおっちゃんに聞くともうマルタが登ってきているそうだ。ただ、数はまだ少ない。
場所は宇奈根のこのあたり。
大きく造成したあとは鍬で大きな石を取り除いて少し耕す。いい感じの産卵床になった。
今年は四国の奈半利川や物部川で実践されているアユの産卵床の作り方を真似ている。アユやウグイの産卵は、淵と瀬がつながっているところの瀬尻で行われるため、アユだけではなくウグイにも有効だろうと神奈川県水産課の方も話してた。マルタウグイを見ていると淵に溜まっていてなにかの拍子に瀬に出て一斉に産卵をする。
ようは淵で休憩・集合する場所が必要なのだ。そのため、今回は産卵床の上流と下流に深く掘って集まれる場所を用意した。そこに集まってもらおうというわけだ。奈半利川では適した礫を撒くのだが、多摩川ではコストなんかの関係で行えていない。これで実績ができれば予算がついていい感じの砂利を撒けるかもしれない。がんばれウグイ。
産卵床造成は正しいか?
多摩川では放流や産卵床の造成を行っている。ただ、魚は10年前に比べて肌感では減っているように思う。減っている理由は様々な原因があるが、自然再生産がうまく行ってないのも原因の一つだろう。河川の工事によって護岸がコンクリートで固められ、平たく変化のない川相に、堰によって止まってしまった土砂が流れず下流に良い石がながれないなど。たかはし河川生物調査事務所の高橋先生が話されているが、
産卵場造成は10年ぐらいのスパンで見ると「正しい」と言えるかもしれないが、100年のスパンで見ると、「正しくない」
本来は自然の力で再生産できるのが一番望ましいのだけど、必要と思えるうちは産卵床を作り続けないといけない。そもそも、産卵床を作るのメチャクチャ大変なんですよ。